2014年式GIANT ANTHEMのリアサスペンションリンクの分解とベアリング交換ねたです。
GIANTのサスペンションにはマエストロって名前がついてますが、マエストロであれば年式が違っても大体同じような感じで分解とベアリング交換はできるのでは?と思います。
まあ、お約束の自己責任でお願いしますけどね・・・。
リンク部の分解
まずは、邪魔なものをはずします。タイヤ・クランク・チェーン・リアディレイラーとケーブル・リアブレーキキャリパー(ホースはつなげたままでOK)を外して作業開始です。
アッパーリンクを外していきます
- サスユニットの頭部を固定しているスルーアクスルシャフトを外します。
- フレームを貫通している真ん中のアクスルシャフトを外します。
- リアリンク部の固定箇所(左右2か所)を外します。
サイズの合うスパナとアーレンでネジをはずしていきます。ネジは結構緩めにしまっていますので簡単に外れるかと思います。
スルーアクスルシャフトは結構固めに固定されているかと思います。ナットを少し緩め、そのナットの上からゴムハンマーで軽くたたいて押し出します。
アッパーリンクを外すとこんな感じです。
下部リンク部を外していきます
下側のリンクも取り外していきます。
リアのリンク部(後ろ側)から外していきます。
スルーアクスルシャフトになってますので、左側のナット(下の写真は右側。写真の反対側です)を少し緩め、そのナットの上からゴムハンマーでたたいて押し出すことを数回繰り返してはずします。
アクスルの径がそれなりにでかいので、アッパリンク部に比べると、結構思いっきり強く叩かないとスルーアクスルシャフトは抜けないと思います。
リアのリンク部(後ろ側)を外すと、角度が付いたテーパータイプのワッシャがでできます。テーパーの向きは内側が狭い方です。
フレームとリンク部を固定しているスルーアクスルを抜きます
残るは、フレームとリンク部、サスの下側を固定しているスルーアクスルを抜けば、リアサスのリンク部の分解が終わります。右側のナットを少しゆるめゴムハンマーで叩き出します。
ベアリング交換
交換用の新品ベアリングを用意します
頭を悩ますのは、交換用のベアリングをどこで入手したらいいかってこと。あとベアリングのサイズは何を買えばいいかってことの2点かと。
どこから買ったらいいか?
お世話になっている自転車屋さんに相談すると、補修部品としてGIANTから取り寄せてが可能とのことでした。部品によってはベアリングが圧入された状態で入手ができるので、手間を考えると素直に補修部品として入手したほうが良いかと思います。
今回はチャレンジして汎用品を使うことにしましたので、モノタロウの通販サイトから入手しました。
サイズは何を買えばいいか?
リンク部を分解したらベアリングの表面が露出します。ベアリングの表面をよくよく見ると型番が書いてあるのが見えます。これを虫めがねをつかって読み解いていきます。
頭4桁もしくは3桁の番号がサイズを示しています。
後ろの文字はメーカーごとに違っており、シールの形状とか素材みたいなものを表しています。
あと外見から察するに、使われているベアリングは「両側接触ゴムシール形」のタイプと思われます。
「両側接触ゴムシール形」のベアリングをモノタロウで物色。サイズをあわせて発注しました。
ベアリングは全部で12個使われてます。
使われているベアリングのサイズと型番をリンク部の位置関係に合わせて図にしてみました。
ベアリングを打ち出す
ベアリングを外す方法はいろいろあるかと思います。
教えてGoogle先生で検索すると、ベアリングプーラーなる工具で引っ張り出すやり方や、内側の穴に専用の工具を固定して打ち抜く方法などがでてきます。
もう少しDIYぽい方法だと「ソケットレンチセットのエクステンダー」を活用して打ち抜く方法が引っ掛かってきます。ソケットレンチなら一般人的素人なわたくしの家にもありますので今回はこの方法でチャレンジしました。
ベアリングを打ち出すのに使った工具類
- エクステンダー(ソケットレンチの延長棒です)2本。
- ベアリングの内径よりでかくて外径より小さいサイズの適当なソケット。※手持ちのソケットレンチだと10㎜のソケットがベストサイズでした。
- 一か所だけエクステンダーの径がベアリングの内径より太すぎて通らないところがあったので、その箇所用に10㎜の棒にナットをつけてソケットを打ち抜けるようにしたもの。
- 打ち抜くときに下に敷く「まな板上の木の台」。※これ必須です。
打ち出し方
エクステンダーを打ち抜くベアリングの反対側から通してから、ソケットをセットします。下の写真のような感じです。
まな板上の木の台の上で適当に固定して、エクステンダーをゴムハンマーで軽くたたきます。
固着してなければ10回も叩かないうちにベアリングは抜けてしまうと思います。
まな板上の木の台は適当な段差があると固定しやすいです。
各箇所の作業イメージ
12個のベアリングを外します。
ベアリンングの圧入
新品のベアリングを圧入していきます。
ベアリングの圧入に使った工具類
- BBを圧入する工具
- 10㎜の棒とワッシャー
- 6㎜の棒とワッシャー
- 取り外したベアリング。※最後まで押し込むとき、サイズが同じであるからして、これが結構役に立ちます。
圧入方法
棒とワッシャにー挟みこんでベアリングを圧入していきます。圧入するベアリングより一回り小さいワッシャーでベアリングを挟み抑え込むことで奥までベアリングを圧入していきます。
こんな感じですね。
各箇所のイメージです。
結構時間がかかりました。
全部で12か所あるのですが、リンク部の形が微妙に左右対称でないので、それぞれの箇所で試行錯誤。
持ちの工具とワッシャー、あと外したベアリングをパズルのごとく組みあわせて、なんとか圧入完了です。
穴になっている箇所で表の面より奥まで圧入する必要のあるベアリングは取り外したベアリングでそのベアリングより径の小さいものを使って押し込んでやるとうまくいくことが多かったです。
圧入するベアリングにはグリスを塗る必要はないのかもしれませんが、次回メンテ時に固着してしまうとめんどくさいので、おまじないの意味をこめて、おてんこ盛りでグリスをつけておきました。
リンク部の組み立て
ベアリングの圧入が終われば、あとは元通りに各リンク部をつないで作業完了です。
コメント
ベアリング交換して乗り心地は良くなりましたか?
久しぶりに見に来たらコメント欄付いていて嬉しかったです。
色々、勉強させてもらってます。
良くなったと信じたい・・・
正直、劇的な変化は感じることできなかったです。
もともとが固着して動かなくなっているとか、ベアリングが破損してゴリゴリしていたとかではなく、正常に動いていたベアリングからの交換なので自己満足の領域です。
サスのリンク部は、不都合がなければ触らないってのが正解かもですね。
そうなんですね。僕もフルサスをお店でオーバーホールしてもらったことが有るのですがわからなかったです。
ありがとうございます。