フロントサスペンションの調整について。
先日一緒に走った方とMTBを取り換えっこしてみたら、ほとんどフロントサスが動かない設定になっていました。動かない状態を表現すると・・・。
一旦ギャップでサスが沈む。沈んだあとの戻りが遅い。次のギャップに縮んだままの状態突入。その次のギャップもまたサスが縮んだままの状態で突入。ギャップに入るとずっと縮んだままの状態になってしまっている感じ。これいわゆるリバウンドが強すぎる設定ってやつですね。
聞くに、初動がクネクネ動きすぎるということで、リバウンドを強くしたとのこと。
「うーん。なんか違ってませんか?」
とりあえずリバウンドを最弱に緩くし、下りのオフロードを試してもらうことに。
「リバウンドが緩いほうが断然いい!フロントタイヤがグリップしなかったので下りが怖かったが、それがなくなった!最高。」との感想でした。はい。
初動がクネクネは、低速コンプレッションを強くするが正解かと。ただ持ち主さん曰くコンプレッション側を調整してもイマイチ変化を体感できないとのこと。コンプレッション側は動き出すまでの調整ができるタイプのサスぽいので、動きだしてしまえばコンプレッション側の設定はあんまし関係ないとうことかな?
要するに動いている時にコンプレッション側の設定をイジイジしてもコンプレッションの変化は体感できないってこと。聞くに舗装路とか坂道でダンシングしたときに特に動きすぎるということらしいのでこれはロックアウトしたらどうよってことで解決ですね。
上記を踏まえ、2014年式のROCKSHOX RECON(リーコン)を例にフロントサスペンションの設定方法まとめてみました。ROCHSHOXのサスだとおおよそ同じ設定方法でよいかと思いますよ。
手順1 サグだし
2014年式のROCKSHOX RECON(リーコン)の場合、というかROCHSHOXフロントサスの場合、アウターレッグにご丁寧に「体重とエアー圧の関係」を一覧にしたシールが貼ってあります。サグだしは基本このシールの内容どおりに体重にあわせて規定量のエアーを入れるだけでOKですよ。
規定量のエアーを入れるとサグは大体20%ぐらいになっているかと思います。100㎜ストロークだと20㎜ぐらいですね。
シールに記載してあるパターンは以下の4点のみです。
ストローク100mm(120mm)の場合
- 63kg→70PSI
- 72kg→85PSI
- 81kg→100PSI
- 90kg→120PSI
「体重75kgだと何PSIいれたらいいんだ?」がわかりにくいですね。おおらかに90PSIくらいいれて、あとは乗ってみて調整すればいいのでしょうが、気になります。
論理的には、体重とエアー圧の関係は、正比例の相関関係と考えてよいでしょう。そこで、シールにある4点の関係をグラフにしてみました。右肩あがりのほぼ直線です。想像どおりおおむね正比例の相関関係ですね。サンプルが4点しかないですけど・・・
これをもとに公式にしてみましたので参考にしてください。
■ストローク100mm(120mm)の場合
体重からエア圧PSIをもとめる式を算出してみます。
「エア圧PSI」 = 1.8333 × 体重x(kg) - 46.5
おおっ!それポイ魔法の公式になりましたよ。
「体重75kgだと何PSIいれたらいいんだ?」答えは魔法の公式にあてはめると91PSIってことですね。
5kg刻みの早見表にすると、こんな感じです。
■ストローク80mmの場合
「エア圧PSI」 = 1.8333 × 体重x(kg) - 6.5
5kg刻みの早見表にすると、こんな感じです。
手順2 リバウンドの調整
つづいてリバウンドの調整です。
【ポイント】リバンドの調整は基本「最弱から」ですよ。
ROCHSHOXの場合、リバウンドの調整ノブはカメとウサギのマークで表現されています。ウサギは動きが速いということで、ウサギ側に回すとサスの戻りがはやくなります。反対にカメは動きが遅いってことで、カメ側に回すとリバウンドが強くなりサスの戻りが遅くなります。
最初にリバウンドが最弱になるようにウサギ側にめいっぱい調整ノブを回して調整開始です。この最弱の状態でギャップのあるオフロードを走ってみて、ギャップでフロントがはねるような感じがするなら、カメ側に一クリック回してリバウンドを強くします。その状態で再度同じギャップを走って確認します。まだはねるということでしたら、さらにカメ側に一クリック回して同じギャップを走って確認します。はねる感じがなくなるまでこれを繰り返します。大体3クリック前後で丁度気持ちいい感じになるかと思います。
手順3 コンプレッションの調整
最後にコンプレッション側の調整です。これは走りながらでも調整できますので、ロックアウトを含め臨機応変に好きにしてくださいっと感じでしょうか。自分の場合は、基本いつでも最大解放です。たぶん間違ってないと思いますが、ROCHSHOXのモーションコントロールと呼ばれているこのタイプのコンプレッション調整は、路面からの衝撃の大きさに対する動き出しの調整であって、動いている最中の調整にはほとんど影響ないと思います。手前に引いてコンプレッションを強くすると小さいギャップだとロックアウトしているのと同じような感じになります。
まとめ 調整はほどほどに
サグだしに関しては、そもそも入れる空気の量はシールに書いてある規定値から大きくずれることはないと思います。好みでサグが15%~25%くらいになる範囲で調整はできるかと思いますがそもそも微調整できる範囲は限られています。ほどほどにしましょう。
そもそもリバウンドもコンプレッションも強くすることはイコールサスの動きを抑え込むこととなります。強くしすぎるとサスが動かなくなるってことです。調整はほどほどに!ですね。
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