フロントサス FOX 32 Rhythmのダストワイパーを行いました。実際にやってみてポイントをまとめてみました。オイル類と交換用補修部品が手に入れば意外と簡単です。
詳しい手順は、FOXの本国サイトのHELP CENTERの中にあるマニュアルをみてもらうのがよいかと。っうか熟読です。
https://www.ridefox.com/fox17/help.php?m=bike&id=622
自分で分解しちゃうと、きっと日本国内の代理店からは保証対象外になってしまうかと。このリスクも含めいつものDIYのお約束「自己責任」ってやつですよ。
FOX 32 Float Rhythmってどんなサス?
FOX 32 Rhythmはアフターマーケットでは売ってない完成車用の廉価版って位置づけなモデルのサスです。今回分解するサスも2018年式 完成車 SCOTT SCALE930についてきたサスとなります。
SCOTTのカタログによると詳しい型番は
「FOX 32 Float Rhythm Grip 3 / 3-Modes / 15x110mm QR axle」
ストローク100mm。エアースプリング部は「FLOAT」。ダンパー部は「FIT GRIP」。となります。エアースプリング部は他のFOXサスSTEP-CASTのシリーズと同じなんで、ダストワイパーの交換だけならFOX製のサスなら同じ要領でOKかと。
必要なもの
10mmソケットとか普通にホームセンターで入手できるものはよいとして、特別なものとして、下記4つをがんばって入手する必要があります。
オイル類(FOX純正20wtGOLD・5wtテフロン入り)
オイルはスポーツ系自転車店をはしごして、一本2500円で入手できました。
交換用補修部品ダストワイパーキット
大手海外通販(https://www.chainreactioncycles.com/jp/ja)で入手。到着まで3週間です。5000円くらいでした。
アウターケースを外す特殊工具
FOX専用ツールが本来必要ですが、買うと高いので、13mmのナットとソケットレンチで代用です。
ダストワイパーを圧入する特殊工具
UNIORの専用工具をメインでお世話になってる自転車店で取り寄せです。
Fork seal installation tool 1800円で入手です。
アウトーケースの取り外し
手順1 エアーを抜く
念のためエアーを抜いてから作業をしましたが、ダストワイパー交換だけならエアーを抜く必要はなかったです。
外したほうが断然作業はやりやすいかと思いますが、フレームからフォークを取り外さなくても作業はできます。アウターレグが外れればOKです。
手順2 リバウンド調整用のノブをはずす
アーレンキーでイモネジを緩め赤いリバウンド調整用のノブが外します。
イモネジは取り外す必要はないですよ。途中まで緩めるだけでOKです。なくすといけないので外さないほうがベターかと。
10mmの六角ナットがお目見え。このナットを外します。
手順3 左右のボトムにある固定ナットを外す
10mmソケットレンチを使ってナットを外します。ナットは取り外してしまってOKです。ナットの下に黒いプラスチックのクラッシャーワッシャーがハマってますので、忘れずにこれも取り外しておきます。
エアースプリング側も同様に固定ナットとクラッシャーワッシャーを外します。下の写真クラッシャーワッシャーまだとってない状態ですね。
はずした固定ナットです。
手順4 ハンマーでたたいてアウターケースを外す✕2
特殊工具があればよいのですが、六角ナット(M13)とソケットレンチで代用です。
手持ちの六角ナットの中にちゃんと穴の経とネジ山のピッチがあったものがなかったので先っぽにちょっとかかった状態で強引に叩いて外しました。ネジ山つぶれなくてよかった〜。
固定ナットにソケットレンチをそのままかぶせて叩いても外せるかと思うけど、固定ナットはアルミ製。柔らかいナットなので強く叩きすぎるとアルミの固定ナットのほうが潰れちゃうかもしれないですね。素直にサイズのあう六角ナットを探したほうが良いですね。
アウターケースの穴にシャフトがカチッとハマってます。シャフトにナットを取り付けソケットレンチをかぶせてハンマーで軽くコンコンと叩きシャフトをアウターケースの穴から外します。
ダンパー側、エアースプリング側両方のシャフトを穴から外したら、アウターケースを外すことができます。
あっ、アウターケース外す前にアウターケース内に入っているオイルをシャフトを外した穴から排出ですね。ちなみに排出したオイルの量はGRIPダンパーなんで結構な量です。
ゆっくりとアウターケースをひっぱれば、アウターケースが外れます。
ダストワイパー交換であれば、分解はここまでで。その際は、インナーチューブ内にはダンパーユニットとエアースプリング部がそのまま残った状態でOKですよ。
あと、GRIPダンバーはセミオープンなダンパーユニットなので、シャフトを動かすとダンパーユニット内のオイルがでてきてしまう可能性があります。シャフトは動かさないように注意です。
FITダンパーだと密閉タイプなんでオイルがでてくる心配はないんですけどね。
ダストワイパー交換
手順5 アウターケースからダストワイパーを外す✕2
15mm程度の大きさのスパナを使ってダストワイパーを外します。
スパナの口をひっかけて、ひっかけた対角線上の端を支点にして、てこの原理で持ち上げダストワイパーのゴムを引き抜きます。
ダストワイパー外したら綺麗に拭き上げます。
外したダストワイパーの状態。
内部のスポンジ状のリング、これ相当よごれてました。内側は真っ黒でベタベタ!
アップでもう一枚! きったな~。
手順6 新しいダストワイパーの準備(オイルにつけておく)
Rhythm のダンパーはセミオープンなGRIPダンパーなんで、ダンパー側のダストワイパーにつけるオイルの種類が違います。
エアースプリング側が20wt
ダンパー側は5wtのオイルです。
スポンジ状のリングをそれぞれのオイルにつけて浸して、ほどよく新品のオイルをしみこませます。
ダストワイパー本体側面にもそれぞれのオイルを塗りつけて、いざ組付けです。
手順7 専用工具を使ってダストワイパーをアウターケースに圧入✕2
FOXのダストワイパーの取付は専用工具必須ですよ。ダストワイパーの周りに金属が入っているので嵌め込むというよりは圧入になります。
ちなみにロック岩サスの場合はただのゴムなんで手で適当に押し込めば簡単にハマるんですけどね。
オイルをしみこませたスポンジ状のリングをセット。新品のダストワイパーを専用工具を使って丁寧に叩いて圧入していきます。
アウタケースとダストワイパーのゴムの側面に段差がなくなるまでしっかり圧入します。
アウトーケースの取付
手順8 アウターケースをインナーチューブにはめる
ダストワイパーのゴムかかっているリング状のバネが外れないように、丁寧にインナーチューブをダストワイパーの中に差し込んでいきます。
手順9 規定量のオイルをボトムの穴から入れる
オイルの量はこちらを参考にしました!
https://www.ridefox.com/fox17/help.php?m=bike&id=884
- ダンパー側40cc
- エアースプリング側3cc
シリンジを使うと簡単にボトムの穴からオイルを注入できます。
手順10 左右のボトムの固定ナットを10mmソケットで締め込む。
新品のクラッシャーワッシャーをセットして固定ナットで固定。リバンド調整用ノブを元通りに取り付けて完了です。
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