シマノ12速 SCYLENCEフリーの考察

シマノ12速コンポ

シマノ12速のフリーハブ、フリー部は分解してはだめとなっていますが、分解しちゃいました。

分解したついでに「SCYLENCE(サイレンス)」フリーの動きというかシカケを考察してみました。
あっ、最近のシマノでは、「SCYLENCE」とシマノは言わなくなってますね。
DURA-ACEの12速フリーハブがでた時から、同じ構造のフリーのこと「Direct Engagement(ダイレクトエンゲージメント)」って言ってますね。

シマノの「SCYLENCE(サイレンス)」と「Direct Engagement(ダイレクトエンゲージメント)」、名前は変わりましたがどちらもフリーの構造シカケは同じだと思いますよ。

スペーサ(Y3FM14000 Spacer)やバネ類(Y3FM11000 Slide・Y3FM10000 Spring)といった一部の部品で共有のもの使ってますしね。

おっと、話がそれてしまいましたが、「SCYLENCE(サイレンス)」フリーの考察を始めていきましょう。


まずは分解

「SCYLENCE(サイレンス)」フリー部、
細いドライバーを使って、リングを2つほど外してやると、あっさり分解できてしまいます。

分解といっても、細かいギザギザのあるリングが2つ(下の写真のシルバーのやつ)とワッシャーに分解できるだけです。

シンプルな構造なんですね。

この細かいギザギザのあるリングがどうしがかみ合うことで動力がつたわる構造となっています。

さすがに金属どうしが触れ合う部分なんでグリスがついてました。

リングの素材は柔らかいアルミです。

グリスの効果なのか削れてしまっている様子はなく、ハブとしての耐久性に問題はないと思います。



フリー構造のミソは渦巻状に切られた溝

DTのスターラチェットに似ている構造だと思っていましたが、シマノ「SCYLENCE(サイレンス)」フリーの構造はDTのスターラチェットとは構造がちょっと違うようです。

「SCYLENCE(サイレンス)」フリーもスターラチェット同様、面で接触するタイプのフリーです。

「SCYLENCE(サイレンス)」フリーは空転している時2つのリングが完全に非接触。
常時、面が接触しているスターラチェットとはこの点が大きく違います。

「SCYLENCE(サイレンス)」フリーのミソは、斜めに渦巻状に切られた溝です。

溝にそって動力を伝えるリングが横方向に動くことで、動力をつたえたり、空転させたりと、クラッチの役割を担っています。


ペダルをまわすと接触

ペダルをまわすとペダルの回転にあわせてフリー部が反時計回り(赤色の矢印の方向)へ回転します。

斜めに渦巻状に切られた溝にそって動力を伝えるリングがフリー部側と接触するように横方向に移動します。

ネジが締まる要領と同じかと思います。
動力を伝えるリングは締まる方向に移動するのでペダルをまわせば回すほど力強く接触することになります。


空転時は非接触

空転時はフリー部が時計回り(青色の矢印の方向)へ回転します。

ネジが緩む要領と同じように、
斜めに渦巻状に切られた溝にそって動力を伝えるリングがフリー部側と非接触するように横方向に移動します。

完全に非接触になるので、理屈上は空転時に完全に音がしなくなるはずです。

たまにチリヂリ音がするのは、動力を伝えるリングがハブ軸側から常時バネで押されているため軽く接触しているためかと思います。



おまけ フリー部の組み立て

組み立てる際、グリスを塗るのは細かい溝のとこだけで十分かと。

塗るグリスは、シマノグリス Seal Grease for Freehub(白グリス・やわらかいやつ)です。

構造的に塗りすぎはNGです。つけすぎないように注意が必要です。

下の写真だと細かい溝からはみ出てリングの側面にまでグリスがはみ出てしまっているのでつけすぎです。

つけすぎると空転する時の切れが悪くなりますよ。
※実際わたくし目はつけすぎて切れがわるくなり再度分解するはめになってしまいました(笑)。

以下組み立て手順と組み立ての様子の写真です。

  1. ワッシャーリングをセット
  2. 外リングをセット
  3. 内リングをセット
  4. 固定リングと外れ防止リングで固定

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